釣りメーカーは年に年に何度か新製品を発表し、店頭に並ぶ最新の釣具に目を奪われますよね。
特に性能差を感じやすいのがリールで、最新モデルを心待ちにしている方も多いでしょう。
しかしたくさんの釣りを共にしたリールを買い換えるのはなんだか忍びない気もしますし、年々釣り具も高価になっているので、なかなか買い替えに踏み切れないという人も多いかと思います。
しかも年々いいモデルが発売されるので、いったいいつ買い換えるのがベストなのか、悩んでいるうちにタイミングを逃している方も多いですよね。
では現実問題として、リールの寿命やメーカーの戦略から、いつ買い換えるのが適切なのか考えてみましょう。
①買いたいときが買い替え時
アメトークでの名言の一つですが、趣味の道具においては一つの真理を突いていると思います。
釣りは趣味なので、やはり買いたいと思ったときが最も買い替えの好機と言えますよね。
と言うのももちろんなのですが、実は昨今の釣り具を取り巻く状況を鑑みても、早めの買い替えが吉と言えるのです。
一度機を逃すとしばらく買えないことも…
昨今、メーカーのリールの生産がチグハグで、流通が滞ることが多いです。
コロナ渦でのアウトドアブームで釣り人口もかなり増え、客が増えたことも影響しているのでしょう。
例えば2021年に発売されたシマノのアルテグラですが、発売から1年経った今でも番手が売り場にそろわない状況が続いていたりします。
中でも3000番など汎用性の高い機種は顕著で、早めに確保しないと次のロットを待つことになります。
しかもロットごとにどうしても品質にバラツキがあるため、アタリロットを見つけたら、早めに確保しておくに越したことはないでしょう。
今後も値上がりし続ける?
昨今何かと値上がりが叫ばれていますが、釣り具も例外ではありません。
海外生産が主なので、原材料費はもちろん、輸送コストや為替レートの影響は避けられないのです。
リールにおいては、2021年のカタログ価格が、2022年のカタログで1割以上の値上げしたモデルすらあります。
現在のところ値下げする見込みは残念ながらないので、価格的にも欲しいと思ったタイミングで早めに確保しておいたほうが賢明だと言えます。
②リールの寿命を感じた時
個人的にはリールに明確な寿命はないと思っていますが、やはり機械である以上劣化は避けられません。
使用状況にもよるので、明確に何年という基準はないものの、かなりこまめにメンテナンスしている筆者でも、やはり経年劣化は避けられない部分が出てきます。
数年使っているリールに以下のような症状が出ると、寿命を迎えているパーツがある可能性があるので、愛着があるなら予算をかけてオーバーホールに出すか、買い替えを検討してみましょう。
ゴリシャリ感が強くなったとき
リールを巻いた時に、ゴリゴリと異物感があったり、シャリシャリと抵抗感が出ることがあります。
これらはベアリングやギアに異常がある証拠なので、そのまま使用するのは悪化させる可能性が高いためご法度です。
シャリ感の場合、水分・異物混入防止機能(マグシールドやXプロテクトなど)が寿命を迎えている場合もあります。
最近のリールはメーカー独自技術が盛り込まれていて、個人でのメンテナンスが難しくなっているので、メーカー対応だとこれらのメンテナンスだけでも数千円~1万円程度の予算を見ておく必要があります。
それを考えると、新しいリールの購入予算に回したほうが賢明かもしれませんね。
スプールの傷がひどくなったとき
釣りをしているとどうしてもスプールに傷が付いてしまうことがありますよね。
多少なら気にしなくていいのですが、昨今PEラインが主流になったことで、少しの傷がPEラインの寿命を大きくそいでしまうことがあるのです。
最近PEラインの毛羽立ちがひどいな、と思ったら、スプールに傷が付いていたなんてことも少なくありません。
磨いて消える程度の傷であればいいのですが、ある程度深いと交換が必要になります。
アルテグラレベルでもスプールで5000円前後するので、少なくない予算と言えますね。
③同じモデルがリニューアルしたタイミング
リールは定期的にリニューアルするので、そのタイミングで買い換えるのも一つのタイミングです。
もちろん同系機種にこだわって買い換える必要はないのですが、同系機種なら違いが感じやすいので、満足感も大きいでしょう。
結構合理的な理由もあるので、筆者もこのタイミングを買い替え検討することが多いです。
性能が確実にアップしている
国内メーカーにおいては、上位機種に使われた技術を下位グレードにどんどん落とし込んで、性能を徐々にアップさせています。
リールにおいては感覚的に違いを感じやすいアイテムなので、その差が使い心地を向上させてくれるのです。
例えばシマノのアルテグラでは、2017年モデルにはなかったマイクロモジュールギアⅡやワンピースベール化などが大好評を得て、これまで上位機種を使っていたユーザーからの評価も向上しました。
性能差を感じられれば満足感も大きいですよね。
リールの寿命ともマッチすることも
リールのリニューアルは、おおよそ3~5年程度で行われることが多いです。
週1程度で釣りに行っている方であれば、そのころにはどこかしらに不具合が出ている方も多い時期かと思います。
筆者の場合はかなり気にしてメンテナンスしているので、幸い致命的な故障に見舞われたことはありませんが、ベアリングが寿命を迎えたり、ベールの返りが悪くなるのはこれぐらいのタイミングが多いです。
もちろん修理するのもいいですが、修理コストを考えると、その費用で新しいモデルに買い換えるのも合理的な判断と言えるでしょう。
一つ型落ちは買取価格も良好
個人的には、買い換えた後も里心が付いてなかなか手放せないのですが、リニューアル後も前モデルはまだ買取価格が高めな傾向にあります。
エントリーモデルだと元々買取価格が渋いですが、ハイエンドであれば寝かしておいたときと価格差は雲泥の差です。
まだ市場的に前モデルの評価が更新されていないことも多いので、売るなら早ければ早いほどいいでしょう。
リニューアルモデルの購入が決まっているなら、その時点で手持ちのリールを手放して、購入資金に充てるのもいいですね。
④メーカーサポートが終わるタイミング
どんなに大切に使っていても、パーツの供給が終わってしまうと、現実的に使い続けるのは難しくなってしまいます。
オールドリールのようにパーツを供給してくれたりすればいいのですが、汎用モデルだとなかなかそうもいきません。
買い替えしない場合にも、思い入れのあるリールは、故障しやすいパーツを早めに注文しておくのがおすすめです。
製造終了から6年程度でサポート終了
シマノやダイワの場合、該当モデルの製造終了から、おおよそ6年でサポートが終了します。
家電なんかだともっと早いので、メーカーも気に入ったものを長く使えるよう頑張ってくれている印象はありますよね。
ただしそれ以前においても、パーツがなくなってしまうとサポートが打ち切られる場合があります。
リニューアルが発表されると同時、もしくは少し前に製造が終わることが多いので、買い換えるにせよ持っているリールを使い続けるのであれば、リニューアルが発表されたタイミングで修理するといいでしょう。
⑤下位モデルに性能で抜かれた時
先ほど解説した通り、リールはどんどん高性能化し、下位グレードの性能も向上しています。
つまり安いモデルの新品が今使っているより性能が向上することもあるので、コスパ良く使い心地のいいモデルを購入できる場合もあるのです。
下位グレードを買うのは少し抵抗があるかもしれませんが、サポートやパーツ供給などを考えても、下位グレードであっても新品に買い換えるメリットはあると言えます。
2回リニューアルしたら要チェック
各リールのコンセプトは、基本的に大きく変わることはありません。
例えば筆者も好きなナスキーとサハラを例に取ってみると、この2機種の大きな違いは防水性能で、最新の2022年モデルのサハラにおいても、コアプロテクトなどは搭載されていません。
ただ2014年モデルのサハラと2022年モデルを比べるとその差は歴然で、巻き心地でいえば2021年モデルのナスキーに遜色がないレベルにまで来ています。
2世代前の2016年モデルのナスキーに比べれば、もはや防水性以外は凌駕しています。
2016年モデルのナスキーは定価10,000~16,000円だったはずなので、定価10,000円のサハラで使い心地が向上するとなれば、十分買い替える価値はあるでしょう。
上位モデルになるとその差は少しシビアになりますが、おおよそ2世代リニューアルされたら、下位グレードが性能的に肉薄してきているのは間違いありません。
まとめ:賢く買い換えてタックル選びも楽しもう
個人的にはタックルは長く使う派ですし、SDGs流行りでそれがよしとされる時代ですよね。
とはいえ、年々釣り具は高性能化し、快適に釣りをするなら買い替えは一つの選択肢でもあります。
趣味の道具は選ぶのも大きな楽しみの一つです。
今回紹介したようなポイントを意識しながら、賢くリール選びを楽しみながら買い替えを検討してみましょう。