渓流ルアーの元祖「スプーン」釣れないときの使い方からおすすめモデルの魅力も解説

トラウト・渓流

今やルアーの種類は多岐にわたりますが、数あるルアーの元祖ともいえるのがスプーンです。

その歴史は古く、私のような中年に差し掛かった世代以上では、ルアーと言えばミノーよりスプーンのイメージがある方も多いかもしれません。

最近では、渓流ルアー=ミノーというのが主流になっていますが、もちろんスプーンが釣れなくなったわけではありません。

むしろ今だからこそ見直したい渓流スプーンの魅力を、今回は紹介していこうと思います。

渓流ルアーにおけるスプーンとは?

スプーンはその名の通り、食器のスプーンをもとにしたルアーです。

一説によると、ボートの上で食事をしていて、誤って落としたスプーンに魚が食いついたことが起源とも言われていますね。

作りも非常にシンプルで、ボディにフックを取り付けただけで成っています。

そのため価格も比較的安く、また使い方もシンプルなのがルアーとしての特徴です。

最近ではトラウトぐらいでしか使われなくなってしまいましたが、むしろそのトラウトでこそ生きる特性が、スプーンにはあるのです。

スプーンでなぜ魚が釣れるのか

ではそんなシンプルなスプーンでなぜ魚が釣れるのか、その秘密を紐解いていこうと思います。

今回は渓流釣りでの特性をもとに考えますが、そのメリットはほかの魚をターゲットにしたときにも共通する魅力があります。

金属光沢によるフラッシングが本能を刺激

スプーンが発する最大のアピールは、金属光沢によるフラッシングでしょう。

魚食性の強い魚、つまりフィッシュイーターは、小魚が発する反射に反応する本能があるので、フラッシングするルアーへの反応が良いのです。

スプーンは金属を使っているため、フラッシングを活かしやすく、魚へのアピールに秀でているというわけです。

塗装して金属光沢がないスプーンもありますが、これはこれで濁りのあるエリアなどで目立つなどの意図があるので、状況に応じて使い分けるといいでしょう。

多少のアクションに対応する

正直、経験上スプーンよりもスピナーの方が釣りやすいルアーではありますが、スピナーにはロッドアクションが付けにくいデメリットがあります。

その点、スプーンは比較的アクションを付けやすく、変則的な動きで逃げる魚を演じることも可能です。

もちろんミノーに比べるとアクションの自由度は低いのですが、スピナーに比べると変則的なアクションを付けやすいというわけです。

とくにニジマスを釣るときには、この微妙なアクションの出しやすさというのが使いやすさにつながるかなと思います。

浅い川で使いやすい(ボトムを攻めやすい)

これはフラッシング効果とも繋がるのですが、スプーンのアピールは浅い川でも発揮しやすいです。

スピナーの場合、アピール力を持つブレードがシャフトに通っている関係上、底を擦るとブレードの動きが出ず、あまりアピールしてくれません。(それでも釣れますが)

スプーンはそのブレードを単体で使うイメージなので、底を転がすように流しても、フラッシング効果や不規則な動きを生んで魚にアピールさせやすいのです。

また、ミノーやスピナーに比べると根掛かりしにくい構造なので、ボトムを攻めやすいというメリットもあります。

その特性も活かして広いレンジを探れば、スプーンが威力を発揮しやすくなりますね。

スプーンのデメリット

残念ながら昨今の渓流ルアーフィッシングではスプーンは主流ではなく、売り場もどんどん縮小される傾向にあります。

その理由にもなるスプーンのデメリットを考えてみましょう。

一言で言えば、ほかのルアーに比べて特化した性能がない、というのがスプーンのデメリットと言えます。

スピナーよりアピール力に劣る

スピナーは、スプーン同様にフラッシング、そしてブレードによる波動でアピールできます。

一方スプーンはというと、リトリーブでヒラヒラと泳ぎますが水圧を受け流す程度で、波動を生むほど強いアピールはできません。

つまり、スピナーが使えるエリアでは、スプーンのアピール力は劣るというわけです。

もちろん水深が浅い場所などではスピナーが使いにくいので、むしろスプーンの方がアピールしやすい場合もあります。

ミノーよりアクションが付けにくい

スプーンはスピナーに比較するとアクションが付けやすいですが、ミノーに比べると断然劣ります。

渓流用ミノーはそもそも不規則なアクションを付けやすい構造なので、上下左右に様々なアクションが可能です。

対してスプーンは、正面からの水圧を受けて全体を振るような構造になっているだけなので、ミノーのようなアクションの自由度はありません。

とくに左右の動きにはダート系のミノーに比べて弱いので、短い距離を広くアピールするのには向かないというわけですね。

スプーンの釣り方・使い方

では紹介したような特性から、渓流でスプーンを使った釣り方を考えてみましょう。

スプーンは使い分けが重要になるので、使いにくいと思ったときには、スピナーやミノーへのチェンジも考えながら使ってみてくださいね。

浅い場所・細い川でスプーンをチョイス

スプーンが活きるのはスピナーやミノーが使いにくい場所で、それを具体的に言うと浅い川や細い川になります。

スピナーのブレードが回せない、そしてミノーのアクションが出せないような場所ですね。

下流に行くと川幅は広めになり、水量も増えて深さもある場所が多いので、源流に近付くとスプーンの出番が多くなるかなと思います。

流れの太い場所もおすすめ

管理人の場合はですが、本流付近など、水量が多く流れの太い川でもスプーンを使うことが多いです。

これはほかのルアーに比べてウエイトが稼ぎやすいからで、5㎝程度のシルエットでも6g程度稼げるため、飛距離が出しやすいメリットがあるからです。

もちろん本流には大物も潜みますから、単純に大きいスプーンを使ってもいいでしょう。

軽いリフト&フォールを基本に

スプーンに大きいアクションを付けるのは難しいのですが、初心者の方でもやりやすいのが上下の動きです。

レンジを上げるには単純に竿先を持ち上げればいいだけなので、トゥイッチのようなリズム感も必要ありません。

水深にもよりますが、ツンツンと竿先を上げるだけでも、リトリーブするより複雑な動きでアピールが可能になります。

スプーンのリトリーブが釣れないわけではないのですが、そのスペースがあるならスピナーをチョイスする方が釣れやすいかなと思います。

これは買うべき!おすすめ渓流用スプーン

スプーンと一口に言ってもかなり種類があり、一見すると違いが判らないルアーでもあるかなと思います。

今回は管理人が使ったことのあるスプーンの中から、使いやすくておすすめのモデルを厳選してご紹介します。

【アングラーズシステム】BUX

管理人が最も所有しているトラウト用スプーンで、ネイティブ用スプーンとしては言わずと知れた定番モデルかなと思います。

値段も安いほうですし、カラーも豊富なのでルアーケースが華やかになりますね。

ではそんなBUXの何がいいのか、魅力を解説します。

ローリングでアピール

BUXは細身のボディで、それでいて波打ったようなボディが、ローリング系のアクションを生み出します。

スプーンは単純に水を受け流すことで動くため、スローリトリーブでのアクションは出しにくいのですが、BUXは比較的しっかり動いてくれるのが特徴です。

上下にアクションを付けて釣ることが多いにしても、リトリーブで食わせられないとロスが多いので、リトリーブでレスポンスよくアクションができるのは大きいメリットですね。

比較的流れに強い

BUXは細身であるからか、早い流れの中でも比較的安定してアクションを出すことが可能です。

一部のスプーンは、流れの速い場所ではぐるぐる回って使い物にならないこともあるのですが、BUXは姿勢をすぐに戻して安定してくれるので、流れが複雑な場所も通しやすくなります。

6.5gぐらいになると多少横からの流れを受けやすくなりますが、渓流ではそれ以下を使うことが多いので、そこまで気にしなくてもいいかなと思います。

【ダイワ】クルセイダー 激アツ

これも比較的人気なモデルではありますが、BUXとはまた違う魅力があるので、ルアーケースの中にぜひ用意しておいてほしいスプーンの一つです。

クルセイダーシリーズは発売から数十年の御大ですが、いまだダイワの中心モデルに位置していることからも、その完成度の高さが分かります。

そんなクルセイダー激アツのどこが魅力なのか、掘り下げて解説していこうと思います。

大振りでハイアピール

クルセイダーはシルエットこそ一般的なスプーンと同じティアドロップ型で、特別な形状ではないのですが、7g以下ではサルカンを噛ませてラインに接続します。

これによってスナップを直接取り付けるよりも可動域が広くなるため、よりアクションが大きくなります。

ウォブリングが強く、ミスバイトが起こりそうなほど大きいアクションなので、食わせの間を意識して使うといいですね。

シルエットを変えずにウエイトを稼ぐ

激アツの意味は厚みがあるという意味で、同じシルエットでもほかのスプーンよりも重くなっているのが特徴です。

重いということはその分飛びやすく、そしてレンジも下げやすいメリットがあります。

つまり広く探れるので、スレてなかなか出てこない魚や、魚影が薄いエリアの攻略にも役立ちます。

【フォレスト】MIU ネイティブシリーズ

エリアトラウト用スプーンの定番モデルの、ネイティブカラーシリーズです。

管理人も元々エリアトラウト用にそろえていたんですが、ネイティブに使ってみたところ意外と面白くて、それ以来ネイティブにも使っています。

MIUが渓流で使っても面白い理由はどこなのか解説していきます。

ちょうどいいアンバランスさ

MIUは正直言って、バランスが悪いスプーンです。

安定した動きのBUXに対して、すぐに不規則な動きをするので、止水のエリアトラウトではそれがメリットとも言えますね。

対して渓流では流れに任せてグワングワン揺れるので、正直思い通りに使うのはかなり大変です。

しかしそれが魚にとっては面白いようで、意図しないところで魚がアタックしてくるようなこともあります。

なので、ある意味気が抜けないルアーとも言えますね。

安くて種類が豊富

スプーンの魅力としては、やはり安さと種類の豊富さでしょう。

MIUはネイティブ用、エリア用がありますが、大きさのラインナップ以外は基本的に同じで、カラーで見れば両方合わせるとかなりな数になります。

価格は2022年4月から値上げして480円(税別)、値上げしても安いですね。

カラーはたびたび増えているのでもはや数えきれず、カラーにこだわった釣りがしたい方には強い味方になりますね。

というわけで

今回は長い歴史を持ちつつ、第一線で戦う力を秘めているスプーンについての解説でした。

スピナーやミノーのような特化した性能がないのは事実ですが、だからこそ活かせる道があるのがスプーンです。

安くて手を出しやすいですし、ぜひルアーケースにいくつか忍ばせて、スピナーが使いにくい、ミノーが使いにくいといったここぞという場面で使ってみてくださいね。

というわけで今回はここまで。次回更新もよろしくお願いします!

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