日本にはさまざまな渓流魚が住んでいますが、中でも代表的な魚といえばヤマメでしょう。
亜種含めてヤマメは全国各地に生息し、海に降りるとサクラマスになるため、水産資源としても重宝されていますね。
渓流ルアーフィッシングのターゲットとしても代表的な魚で、渓流釣りをするならヤマメを釣らない手はありません。
というわけで今回は、ヤマメをルアーで狙う釣り方について解説していきます!
ヤマメとは

非常に美しい魚で映えるので、映像含めてヤマメを見たことがある方は多いでしょう。
釣りにおいてはそれ以上に魚の特性を知ることは重要で、ルアーで釣るとなれば尚更です。
まずはルアーで釣るために、覚えておきたいヤマメの特性について紹介します。
日本固有のネイティブトラウト
ヤマメは日本固有の魚で、いわゆる渓流に生息する代表的な魚です。
海に降りるなどしてスモルト化するとサクラマスになり、その切り身は食卓でもお馴染みですね。
なおアマゴはヤマメの亜種で、スモルト化した個体はサツキマスと呼ばれます。
禁漁期間のある魚
ヤマメは個体数保護のため、全国各地で禁漁期間が定められています。
その期間の捕獲は密猟となるため、釣りはできません。
ニジマスと混泳する河川においては、ヤマメをターゲットとしない釣りができる場合などもありますが、いずれにせよ確認は必須ですね。
ヤマメとサクラマスの違い
ヤマメとサクラマスは基本的には同種ですが、なぜ降海する個体と淡水域にとどまる個体がいるのかははっきりわかっていないそうです。
見分け方としては、パーマークと背中の色がなくなり、全体的にシルバーの魚体で大型化したものをサクラマスと呼びます。
同種でありながら、サクラマスになると水産資源としてヤマメとは違う規制がかかる場合があるので注意が必要です。
小さくとも獰猛な肉食魚
ヤマメは大きくても30cm程度の小さな魚ですが、非常に獰猛な魚で、同種同士での縄張り争いもします。
基本的には食虫性が強いですが、その性質を利用して小魚を模したミノーでの釣りも可能です。
この特性がヤマメをルアーで釣る上でとても重要なので覚えておきましょう。
ルアーで狙うヤマメの釣り方
では実際にヤマメ狙いの釣りではどういったことが重要になるのか、釣り方のポイントを解説します。
渓流ルアーフィッシングでヤマメに並んで人気のニジマスとは少し違う釣り方になるので、どちらを中心に狙うかで釣り方を切り替えましょう。
極力ライトな渓流タックル
ヤマメは比較的小さな魚でありながら、活発に泳ぐ引きの強い魚でもあります。
そのためルアーは比較的小さめ、かつ俊敏に泳ぐヤマメをいなすためには、なるべく柔らかいロッドがおすすめです。
生息域は比較的狭い河川なので、長さはそう必要なく、5ft台がいいでしょう。
パワーはUL、尺を狙うならLも扱いやすいですが、いずれもトラウマ用のUL、Lであることが重要です。
バスロッドや汎用ルアーロッドではULでも硬すぎてアタリを弾いたり、バレやすくなるので要注意です。
酸素が豊富そうな流れのあるポイント
ヤマメが好んで生息するのは、比較的流れが早い、岩が転がっているような場所です。
こういった場所は酸素も豊富で水温変化も少なく、隠れやすいので警戒心が強いヤマメが好み、かつ縄張り争いが起こりにくいので魚陰が多いです。
加えて水温が日中でも12度前後で水が底まで見えるほど綺麗であれば、ヤマメが好む生活環境が十分整っていると言えます。
細やか&食いやすいアクションを意識
ヤマメは獰猛な魚で、激しい動きをするルアーに、まるで猫じゃらしに飛びつく魚のようによく反応します。
逆にただのリトリーブではあまり追うに至りません。
しかしアクションを付けすぎるとフェイントをかけているのと同じなので、ミスバイトも多くなります。
なので、細かなアクションを付けつつも、食わせの間も意識するといいでしょう。
ヤマメ特有のルアーカラー
ヤマメに対しては、ルアーのカラーで縄張り意識を利用することができます。
ヤマメの側面にある楕円形の模様をパーマークと呼びますが、これを目印に縄張りを荒らしにきた外敵として意識させることができます。
つまりヤマメ狙いにおいては、パーマーク入りのミノーが有効になるといえるのです。
ヤマメがルアーで釣れないときは?
ヤマメが釣れない理由はいくつかありますが、1番に挙げられるのが人へのスレです。
ヤマメは獰猛なくせに警戒心が強いので、人の気配を感じたら隠れて出てこなくなります。
特に毛鉤を使う釣りや餌釣りの場合は警戒によって捕食をほぼほぼ行わなくなるので、細心の注意を払って川歩きをしますね。
ルアーに関しては、本能をビンビンに刺激させるので、多少警戒していても釣れることはありますが、やはり無警戒のヤマメに比べると反応が格段に悪くなります。
また、アクションの項目でも紹介しましたが、ヤマメのアタックスイッチを入れるアクションは、ミスバイトが多くなります。
せっかくやる気のあるヤマメがいてアタックしているのに、食わせきれてないということもあり得るのです。
これに関してはルアーのチョイスでも克服することができるので、次の項目でおすすめルアーをご紹介します。
ヤマメ狙いにおすすめルアー
では紹介したような釣り方をする場合、どのようなルアーが適しているか、私の経験からおすすめをご紹介します。
ぶっちゃけ売られている渓流用ルアーなら大体釣ることはできるのですが、中でも初心者の方でも扱いやすいものをご紹介します。
【Jackson】メテオーラ45
メテオーラはとても扱いやすいトラウトミノーで、高いアピール力がありながら取りこぼしの少ないアクションが魅力です。
フラッシングとシミーフォール、小さくまとまるトゥイッチは、ヤマメを釣るのに非常に適した特性と言えますね。
ただ転売目的の大量購入がいまだに横行していて、なかなか手に入らないのが玉に瑕ですかね。
【バスデイ】もののふ 45S
最近発売されたもののふは、見た目で人気な傾向がありますが、ヤマメ釣り用としておすすめのアクションも魅力です。
俊敏なアクションが出しやすいのが特徴で、ダートも交えながらの平打ちアクションに、ゆらぎつつストンと落ちるので、どう動かしてもアクションができるハイアピールなミノーです。
大人気ですがまだまだお店には残っているので、迷ったら一つ買っておいてもいいかなと思います。
【スミス】ARスピナー
スピナーは引っ張ってこないとアピールしないので、ミノーに比べて使えるエリアは限られますが、使えるエリアにおいてはミノーをしのぐ反応を得られます。
中でもARスピナーは、スピナーとしての出来がいいだけでなく、スピナーでありながらヤマメの大好きなトゥイッチも入れられる優れものです。
ヤマメ狙いでスピナーを買うなら、ARスピナーが最もおすすめですね。
【スミス】バックアンドフォース 4g
一般にスプーンと言えば、食器のスプーンのへらのような見た目ですが、バック&フォースは柄のほうのような形のスプーンです。
この形によってへら側のスプーンよりもタイトなスイムアクションを生み出し、アピール力が高いです。
スプーンの安定感ではなく、ヤマメ狙いに有効な不規則アクションを出すなら、このタイプがおすすめですね。
というわけで
今回は私なりのヤマメ狙いの釣り方について解説しました。
前回はニジマス狙いの釣り方を解説しましたが、同じ渓流ルアーというジャンルの中でも、魚種によってこれだけ違いがあるとお判りいただければ幸いです。
渓流だからこう、ではなく、この川にはこの魚種が居て、さらに言えばこの時期ならこの魚が多いからこう釣ろうと考えると、より釣果を上げやすくなるというわけですね。
今後も渓流の魚種別の釣り方を掘り下げていきますので、気になる方はぜひまた遊びに来てくださいね。